ボクの事務所ではこの3月末に引き渡す予定の住まいが3軒あり、
時期的に3月11日ともなれば、3軒ともほぼ仕上がっている状態。
故にこの地震の被害は、施工者にとってかなりのダメージで、
当然引き渡し=引っ越しのずれ込みも考えないといけなくなり、
早急な対応が求められる事になる。
■旭台W邸
地盤良好、整形、総2階、吹抜あり、幅2間の開口あり、内部壁天井クロス、
外壁モルタル、屋根ガルバ、一部鉄骨階段、長期優良住宅
3軒では最も被害が少ない住まい。
地震による内部のクロスの割れは無く、施工上の手直しのみ。
外部のモルタル壁には一切クラックが入らなかったのが救い。
総2階形式の住まいは、基礎部に力がかかるので、
基礎のモルタルが浮き上がっているところもあるが、ここは無事。
被害は内部の土間の立ち上がりのモルタル。
このモルタルの補修も既に終了し、
17日には基準法とフラット35の完了検査も済んでいるので、
W邸は予定通り26日に引き渡しになる。
■スキフロ2
地盤良好、整形、総2階、スキップフロア、吹抜あり、幅2間の開口あり、
内部壁天井珪藻土クロス、外壁板貼り及びモルタル、屋根ガルバ、鉄骨階段
スキップフロアなのでその廻りだけは不安だったが、外観の被害は全くなし。
似た形状のU邸の基礎のモルタル巾木にヒビが入ったが、こちらは基礎も無事。
しかし、内部のクロスの割れは一番多く、
荷重の大きい鉄骨階段があり、
かつスキップフロアのために梁が柱の中間に掛かっているところ。
ここが一番変形が大きかったようで、ボードとクロスがめくれている。
他には窓廻りのコーナー部。
窓のコーナー付近も変形が大きいところなのでボードとクロスの割れが多く発生している。
子ども室の間仕切りボードも外れている。
簡単に外れるようにカカリを少なくした訳ではないが見事に外されている。
クロスの補修と言っても、補修するところがほとんど珪藻土クロスなので、
補修もかなり難しい作業になり、予定の26日引き渡しは延期せざるを得ない状況。
■瓜連H邸
地盤改良あり、整形、平屋(一部ロフトあり)、勾配天井、幅1.5間の開口×2、
内部壁天井クロス、外壁サイディング、屋根ガルバ
外観はここも無事。内部のクロスの割れも見られるが軽傷。
こちらが土間。
やはり土間の立ち上がり部分の巾木モルタルが割れている。
アイランドキッチン上部のレンジフード。
横に揺さぶられてサイドのパネルが歪んでいる。
クロスの割れ。
割れているところはやはり開口部廻りのコーナー部だが、
大きく膨れているところはなく、クロスの珪藻土クロスではないので補修も容易。
外観。
サイディングは無事。網戸の位置が横揺れの激しさを物語っている。
本来であればH邸は昨日オープンハウスで、今日が引き渡し+引っ越し。
現場に行ってみると家具が納品されている。
1間半のサッシをダブルで並べているのに大きな被害が無く一安心。
窓の外にウッドデッキがあり、自家農園に大きく開かれている。
ソファは既に使用中のものだがテイストも合っている。
ただ、テレビに正対しすぎていたので、
ソファを外に向けると・・・より開放感のあるレイアウトになった。
本当なら今日からこの住まいで生活してもらえるはずだったんだが・・・。
ちょうど施主夫婦と3人揃ったので、ささやかに・・・ノンアルコールビールで乾杯。
こちらも引き渡しは延期せざるを得ない状況なので、
落ち着いた頃にみんなで・・・宇野棟梁と八木下くん含めて乾杯しましょう。
被害は3軒それぞれだが、
3軒とも外観に被害が無いのがせめてもの救い。
スキフロとH邸はこれから早急に補修、点検の段取りを考えて、
出来る事なら今月末までには引っ越しをしたいところだが、
問題は職人さんの手配が出来るかどうか。
ひたちなか市や那珂市は水戸に比べると被害も大きいので、
オーヌキさんの頑張りに期待するしかない。