廻れる中庭 vs 大きな中庭

昨日一日は現場打合せが3件あり、1件あたり平均2時間なので計6時間の現場打合せ。おまけに昨日は寒さもあって・・・、終わるとさすがにあぁぁ疲れた~となり、家に戻ると早々に晩酌タイム・・・(苦笑)。これで一日終了。

 

一転して今日は設計打合せが3件なので終日自宅。少し時間もあったので昼から薪ストーブに火を入れると・・・やっぱりビールが欲しくなるが(苦笑)、午後も打合せが2件あったのでガマンガマン(笑)。

 

午前中は(仮称)小貫山T邸の打合せ。まだ契約前なので一応仮称つき。ファーストプラン提案時点では不明だった南側隣地に、総2階の家の北側外壁が法規制一杯一杯に屹立する様子がわかったので、採光はまだしも圧迫感を考えると、方向転換も考えた方が良さそうだとなり、今日の第2案目の提案となった。

 

T邸は北道路の南北に長い土地に建てる平屋の住まい。普通なら・・・平屋で建てたい人は買わない土地だが(苦笑)、あえて平屋にこだわって・・・あとはボクになんとかしてくれよ、というのが今回のミッションなんだと思う(笑)。

 

第1案はスキップフロアも使いながら採光面を補っているが、中心はぐるっと廻れる中庭があるところ。中庭を介して光や風が住まい全体に行き渡り、機能上も動線の短縮にかなり貢献してくれる。弱点はリビングやダイニングが南側の隣地の影響を受けやすい点だった。プランとしては「ロの字」の形をしたプラン。

 

そこで第2案は思い切って中庭を大きくして、リビングやダイニングは中庭の北側に配置し、南側の隣地を直接視界に入らないように「コの字」の形になった。ここまでプランのイメージが変わってしまうと、設計も始まっていないにもかかわらず早々に2つ目の模型作成となる。

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左が第1案、右が第2案。中庭の大きさとしては4.5帖から17.5帖に広がりLDへの採光も十分。スキップ上部に開口部も取れている。唯一・・・、屋内で廻れる動線が無くなったのが惜しいところ。

 

それに比べると第1案は・・・、自慢じゃないがプランの完成度はかなりのモノで(笑)、坪数も驚くほどコンパクト。施主にすれば・・・完成度が高すぎて、あれこれ注文を付けられないところが逆に不満になるくらいのはず(笑)、だったが・・・、南側の家の壁の事を考えると「ロの字」の採用は難しく、動線を多少犠牲にしても第2案の方がボクとしてはお薦めの案。もちろんこちらだって完成度はかなり高いプランにしたつもり。

 

こちらがアプローチ側。

20130331ot2

アプローチの動線と道路との高低差の処理は第1案の方が優れているので、ここはまだ改善の余地があるところ。ファサードデザインも含めて次回までの宿題。実際建った後は道路から見るとこの面しか見えないので、ビジュアル的にも最重要ポイント(笑)。デザイン上は、第2案の方がスキップ部分の位置の関係で少し腰高に見えるので、もっと低く見せられるかどうか・・・。

 

同じ敷地に同じ条件で同じ中庭を持つプランを作っても、これだけ全然似てないプランが出来るんだから、住宅の設計って本当に面白いと思う反面、建築としてはけして大きくないが、大きくない故の難しさも設計者としてはかなり感じる。

 

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宇津義和 代表兼設計士

茨城県水戸市宇津建築設計事務所 代表の宇津です。お気軽にご相談ください。

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