T邸の現場では大工さんの手による造作も一段落し、
クロスやタイルの仕上げの確認の打合せを行った。
造作の中で、今までつくった事のない仏壇を今回施主からオーダーされており、
その仏壇も建具を残してほぼ出来上がってきた。
うちの実家にも親父の仏壇があるが、
とにかく大きくて重くて、そのくせただ単に置いてあるだけなので、
地震の時は危険そのもの。おまけにそのデザインは・・・、
住まいの中でかなり浮いた存在。
今回はほとんど施主主導で造作した仏壇だが、
こうして建築に馴染ませるとその違和感も無くなってくる。
今までは施主から仏壇の置き場所を依頼された場合のみ考えてきたが、
よくよく考えてみれば、ボクだってどんな施主だって、いずれは仏壇に入るわけで、
そう考えれば、住まいに仏壇というのは必需品なのかもしれない。
仏壇は、適した向きや上を歩かない場所に置く等、約束事も多いので、
設計の中では厄介者扱いされるが、
そんな要素をうまく取り込むのもボクの仕事なので、
これからは必ず、将来仏壇に出来る場所も含めて提案するようにしていこうと思う。