美原N邸も、そろそろ外壁のテクスチャーを決める段階になってきた。
逆光で判りにくいが、グレーの部分が下地のモルタル、黒っぽいところが板貼り。
板貼りは今回横貼りで、キシラデコールの色はエボニー。
パリサンダより黒く、ジェットブラックより下地の木の赤みが残る色。
板はプレナーかけずに荒木なので、ざっくりと、ラフで、かなり黒っぽい仕上がり。
対して、モルタルの部分はフラットでプレーンな印象にしたいところ。仕上げの候補は、
サンプルを見る限り、ゆず肌の方がはるかにプレーンな印象になる。
ただし、仕上げのテクスチャーを決める時に重要な事は、下地がどうなっているか。
モルタル下地の場合、いくら現場の左官屋さんの腕が良くても、手仕事には変わりなく、
モルタルの不陸が全く無いという事はあり得ない事。
壁の不陸は、常時見る方向から光りが当たっていれば、ほとんど感じる事は無いが、
外部の場合は光は壁の横から当たる事もあり、その場合は、
多少の不陸でも認識出来るので、仕上げのテクスチャーをプレーンなものを選ぶと、
不陸が意外と目立ってくる。我々の目は光の反射でモノの凹凸を認識するので。
それと、光を反射しやすい色かどうかも影響するので、色味も考慮に入れ、
旭台W邸などは弾性リシンにしてある。
仕上げを決定する際、特にモルタル下地の壁にする場合は、
施主としっかりコミュニケーションを取って、別にボク自身のリスクヘッジをするつもりはないが、
後になって「こんなはずじゃなかった」という事にならないように、
十分に仕上げの特徴を説明して、理解して頂いてから決定する必要があると思う。