先週金曜日の定例の時には2階のフローリングを貼っていた美原N邸。
今日現場へ行くと、既に建具の枠の取り付けが始まっている。
窓枠は壁と馴染ませたい場合は、見付けも小さめに材種も白っぽいものにする。
窓枠の寸法を決めるのは見た目ほど簡単ではなく、
機能的に必要な寸法をおさえて、あとはいかに頑丈に作るか、見た目でどうかと、
判断軸がいくつかある。忘れがちなのは床の巾木との取り合い。
一番曖昧なのは見た目がどうかで、見付け寸法だけ考えればいいものでもなく、
チリ(枠が壁面から出っ張る寸法)の寸法とも関係する。
一般的には見付け20mm、チリ10mmくらいだが、アアルトやエルボスコはいずれも見付け30mmくらいあって、
わりとがっちりと見せているが、そのかわり、チリはかなり小さめで、大工さん泣かせの造作。
確かに昔の木造の本見ると枠の見付けは1寸(=30mm)くらいあり、
アアルトやエルボスコを設計した年配の建築家はそのあたりの感覚を持ちながら、
チリを小さめに納めてスッキリ見せようとしていたのだろう。
細かな寸法の事だが、窓枠の寸法、建具の寸法には、いつも頭を悩ませられる。
今度は「見付け1寸、チリは無しで巾木も一緒に目透かしで納めて!」って言ってみようかな(笑)。