被害状況-平須町K邸

■概要

地盤改良あり(表層改良)、整形、総2階、吹抜あり、吹抜下部に幅2間のサッシ、

内部珪藻土クロス、外壁サイディング、屋根ガルバ

今日は平須町K邸に訪問。

既に電話で施主と監督さんから状況は聞いていたので、

現場の確認とボクから見た補修の方針出しのための訪問。

外部に1ヶ所破損あり。

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サイディングが1ヶ所割れている。ちょうどサッシの角部で変形が出やすいところに、

サイディングの割り付け上、縦目地が入らずにサイディングが鍵の手にカットされている。

K邸は平面形状が4間×4間で、写真に見える縦目地がちょうど建物のセンターライン。

ウベボードは定尺が3030mmなので、センターラインから両側に割り付けると、

サッシとの取り合いも良く綺麗に縦目地が通る

そのために写真のテープを貼っているところに縦目地が入っておらず、

また、内部のプランとしてはサッシの上部が吹抜で、

サッシより右側は2階の床が存在しているため、

当然破損部上部にはサイディングに垂直に梁が掛かっており、

地震時にその梁がサイディングの横から外に押し出すように力が働いたはず。

破損部のサイディングには貼り方と平行方向の揺れで鍵の手に力が働き、

垂直方向にも梁から力が掛かり、破損に至ったと考えられる。

力の掛かり具合としては過酷な状況でも、

縦目地一本入れておけば破損には至らなかったかもしれない所。

当初サイディングを部分的に貼り替えすると聞いていたが、

貼り替えても鍵の手のままだとまた破損する可能性があるので、

結局縦目地を入れる必要があり、そうであればむしろ貼り替えずに、

破損部をカットして縦目地を入れる補修を提案。

内部は珪藻土クロスの割れが数ヶ所。

 

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玄関ドアの角。ここはどこの住まいも非常に弱いところ。

今後、何か対策を考えないといけない。

 

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サッシ上部。ちょうど外壁の破損部の内側。

サッシの上部が吹抜で、外から見てサッシの右側に2階があるのがわかる。

火打ちも入れておいたが今回の地震では役不足だった事になる。

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こちらも南側サッシの角部。

こういう角部の補強は今後の設計における課題になってくる。

K邸は地盤改良をしていたので、門柱が倒れていないか心配だったが、

なんとかそこは持ちこたえてくれた。他の外構の塀も同様。

K邸の被害状況を見て、外壁の補修を縦目地を入れるだけで可能であれば、

内部の補修も含めて地震保険の保険金で納まりそうなので、

監督さんにはその金額から逆算して納まるように補修を考えてとお願いする。

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宇津義和 代表兼設計士

茨城県水戸市宇津建築設計事務所 代表の宇津です。お気軽にご相談ください。

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