永井写真事務所さんから吉沢町A邸の竣工写真が届いたので、
抜粋版をアップします。
外観1.アプローチサイド。
タイルの白と塗り壁(ジョリパット・エンシェントブリック)と木のダークブラウンで、
外構も含めて全体を統合している。
A邸は、延床70坪と大きな住まいなのでどうしてもデザイン要素が多く、
下手すると緊張感のないデザインになりがちだが、
伸びやかなプロポーションの住まいになったと思う。
外観2.ガーデンサイド。
アプローチサイドの伸びやかさをガーデンサイドにも出すため、
2階の庇を大きく張り出したり、ゲートのデザインを色とテクスチャーを反転したりと、
とにかく大きいだけの住まいにならないように工夫している。
外観3.インナーデッキ。
1階には屋根のかかっている大きなウッドデッキがある。
スペースとしてはリビングと連続しており、
まだ小さな子どもたちの遊び場としても使え、
写真では壁に蹴られて見えないが、外水栓も付けている。
天井は杉板貼り。
外観4.エントランスポーチ。
ポーチの天井はデッキと同じ杉板で来訪者を優しく迎え入れてくれる。
二世帯住宅なのでスペースはゆったりめ。
内観1.玄関。
二世帯住宅だが玄関は共用なのでスペースはかなり大きめ。
大きな住まいには大きな住まいなりの玄関の広さが必要だと思う。
通常、家族は右のドアを入ってシューズクロークからホールへ経由する。
正面のニッチ(壁のくぼみ)の下部にはスリッパ入れ。
吹き抜けの上からはジャスミンの枝が垂れる予定で、
花が咲く時期にはすばらしい香りが迎え入れてくれるはず。
内観2.1階リビング。
家具はすべてタモの突き板を使った造作家具。
上部の開口は廊下を明るくするために取られたfixガラス。
内観3.1階ダイニング+キッチン。
テーブルもタモ集材の造作。
壁の一部をキッチンの色味に合わせてダークブラウンのクロスにしている。
内観4.1階和室。
床柱など使わず、シンプルに和のテイストに仕上げつつ、
床の間には大胆にラメの入った花柄クロスを貼っている。
1階の大胆なクロス選定は施主のお母さんとの共同作業で、
お母さんは「年取ると派手なの選んじゃうのよね~」と謙遜されるが、
部屋によって色味がまとまっており、
普段の生活で料理やお花など、色彩に慣れているせいか、
色選びのセンスはボクなんかより上。
内観5.2階ダイニング。
2階はナラのフローリングに蜜蝋塗装。
今までのナラの塗装よりずいぶん白っぽい。
2階の家具もタモの突き板の造作家具だが、色だけ濃い目にしている。
ここは屋根なりに天井を高くしているので、
住宅地の中に建っているとは思えない開放感がある。
内観6.2階リビング。
リビングの天井が勾配天井になっているのが分かると思う。
勾配天井は左奥の廊下まで連続している。
内観7.2階LD+スタディスペース。
左が家族共用のデスクスペースで右がリビングのスペース。
テレビ台ももちろん造作で作っている。
内観8.フリースペース(将来子ども室×3)。
3色の壁が派手すぎず、可愛いすぎず良い感じ。
引っ越し後の現在は・・・フリーの荷物置き場になっている(苦笑)。
二世帯住宅の設計は、単に面積が大きいというだけでも大変だが、
世帯ごとの関係、世帯ごとの住まいに対する異なる考え方を、
ゾーニングや家事動線を考えながらプランに置き換え、構造や設備計画とも整合性を図り、
家具やカーテン・ブラインドまで含めてインテリアデザインを考えつつ、
外観を含めて全体を統合するプランニングが・・・非常に難しい。
しかし、難しいからと言って無難な方向に逃げるのは大嫌いなので、
やるべき事はいつも通り、シンプルでオープン、合理的な動線で使いやすく、
広がりのある空間で光と風が入り、設備に頼りすぎないプランニング。
そして、最終的にはもちろん、何であれカッコ良く。
言葉抜きにして、誰から見ても「あ~いいね~」と思ってもらえる住まいが出来たと思う。