北海道での設計監理を終えて#1

先月末に、無事札幌T邸の引き渡しを終えて、その実績・経験をこれからの住まいの設計にどう活かしていくか、もっぱらそんな事を考え続けている・・・。ただ単に断熱性能を上げれば良いわけ無く、北海道には北海道の、茨城には茨城なりの求められる快適な暖かさの質があるはずで、早くその答えを出したいところだが・・・、そう簡単に答えは出せない(苦笑)。

そもそも北海道、特に札幌と茨城の冬の気候の違いを前提に考える必要があり、

札幌:冬は一日の最高気温が氷点下の日も多く、晴れの日が少なく多雪。

茨城:冬の最低気温こそ氷点下(早朝時)になるが、晴れの日が多く日照も確保可能。

晴れの日が多いか少ないかの違いは、建築計画を考える際に非常に重要で、茨城の場合、しっかり昼間の日照を確保出来るような住まいであれば、夕方まで暖房は不要だが、札幌の場合は一日を通して氷点下なので「北海道は体が外で冷え切って帰ってくるから、帰って来た時に体を温められる室温が欲しい」という施主の言葉が印象に残っている。

昔の家は別としても、茨城の家の中の寒さは冬の朝の寒さをいかにしのぐか・・・。

断熱材もありとあらゆる断熱材を調べた。こちらで断熱性能をウリにしている工務店とかは現場発泡ウレタン系の吹き付けるタイプの断熱材を使っていたりするが、北海道では逆にグラスウールが主流で、その理由も理解出来た。要するに現場の、断熱・気密工事への意識の低さが原因だっただけで、実際、グラスウールの方がはるかに断熱性能の良いモノがたくさんある。

そんなこんなでこれから少しずつ、「北海道の設計監理を終えて」シリーズで話しをまとめていこうと思う。一気には無理なので(苦笑)。

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宇津義和 代表兼設計士

茨城県水戸市宇津建築設計事務所 代表の宇津です。お気軽にご相談ください。

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