樹脂サッシの採用

住宅を高断熱化する場合、熱が一番出入りする窓の仕様をどうするか・・・。5,6年前まではアルミサッシにただのペアガラスが一般的だったのが、長期優良住宅仕様になってアルミ樹脂複合サッシ(通称アルプラサッシ)が標準的になり、今後はより消費エネルギーを抑えられる断熱性能を持たせる事を目標としていくようになるため、今回、大宮のF邸では樹脂サッシ初採用となった。初と言っても札幌T邸と八郷V邸では既に採用しているので、ボク自身は3度目の採用。

樹脂サッシのネガティブなイメージとしては、要するにプラスチック製なのでアルミに比べて強度・耐久性はどうなのか、というところで、耐久性に関して言えば、既に北海道では20年以上も採用実績があるわけで、北海道の工務店の社長に聞いても耐久性的に問題は無いとのこと。あとは強度面。さすがにアルミの方が強度が高いので、樹脂サッシの枠の見付寸法はどうしても大きくなる。同じ寸法のサッシだと、アルミサッシよりも樹脂サッシの方がガラスが小さくなる、という事。

実際、施工する現場の方としては、枠の納まりが今まで通常使ってきたアルプラのサッシと結構違ってくるので、細かな納まり、寸法の採り方は一つ一つ確認しながらしばらく作業を続けていく必要がある。引き違いサッシとその他のサッシでは、網戸の取り付け方のためもあって枠形状も違ったりと、現場の大工さんと指示する監督さんは一つ一つ気を付けながらの作業になってくる。いまの大宮の現場の状況はちょうどサッシの取り付け中。

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樹脂サッシの場合、内観の色は今のところ、各社ほぼ白のみ。その白いサッシの上に外観のみ塗装で着色しているのが現状の樹脂サッシの色味になる。設計屋としては内観も黒かグレーを作って欲しいところ。当面は白のみとなると、悩ましいのはサッシまわりの木製の枠の色。今までのように木の上にクリア塗装より、少し色を付けたい感じがするので、そのあたりが今後の課題。

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樹脂サッシは標準では「アングル」と呼ばれる木枠とサッシを一体化する部材が無いので、サッシを一旦構造体に仮固定してから、アングルを別途サッシに取り付けする。今日はちょうどそのアングルをサッシ屋さんが取り付け中で、アルプラならアングル付きなので発生しない作業を、現場で一つ一つ取り付けるのはずいぶんと手間がかかる作業なので、このアングルを無しで可能な枠の納まりを考える必要もあり、サッシが変わると設計も施工も、また新たな課題が出てくる。

(施工:(株)オーヌキ)

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宇津義和 代表兼設計士

茨城県水戸市宇津建築設計事務所 代表の宇津です。お気軽にご相談ください。

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