コルビュジェが生涯に設計した106の住宅・210のプランを、
ただひたすら図面化、模型化して、それを年代順に紹介している本。
図面はスケールこそ1/400に揃えられているが、室名や寸法、方位などの情報は一切なし。
本当に、ただ・・・ひたすら・・・平面、立面、断面、模型写真のみ。
しかし、初期の石造の住宅から始まり、やがて有名な近代建築の5原則・・・
ピロティ、屋上庭園、自由なプラン、横長連続窓、自由な立面・・・、
に至る過程を、この400ページを超えるプラン集から読み取ったり、
労働者のためのちっちゃな住宅でさえも、流れるような動線や、
一体的な空間構成になっているのを見たり・・・、
特に、仕事の参考にするわけでもないのだが、
この本を読んでいるだけで、頭がスッキリする(笑)。
設計の仕事、特に住宅の仕事をしていると、
目の前の即物的な課題に日々追われることになるので、
こういう単に空間構成のみ、論理的な思考のみに・・・どっぷりつかれる本を、
頭の方が欲してくるらしい(笑)。
冗談抜きでただのプラン集なので、
これから住宅を建てようと考えている人には、全く参考にならない本です(笑)。