住まいづくりを始めるにあたって、ボクはいつもヒアリングシートを書いてもらっているが、
その中によく出てくる人気アイテムは「土間」。
確かに大きめの土間があると住まいは格段に使い易くなる場合が多い。
かくいうU邸にも土間があり、ボクのワークスペースがあったり、ピアノが置いてあったり、
トイレも土間から靴を履いていくようになっていたり、自転車や薪を置いたり・・・。
薪ストーブ本体を置くようにしている住まいも多々設計した。
頂き物の土のついた野菜も、とりあえずはまず土間に置かれる。
じゃあ、土間を広めにつくると坪数が増えるかというと、実はそれほどでもなく、
むしろコンパクトな住まいにこそ、多目的に使える土間が欲しい。
普通は延床30坪の住まいに土間をつくろうなんて考えもしないと思うが、
田彦O邸にも細長~く土間を計画してある。
写真の左端にある細長くコンクリートで囲まれた区画が土間のスペース。
旭台W邸のように広く土間をつくって土間単体のスペースで活動出来てもいいし、
土間と接するスペースと一体的に活動できるようにしてもいい。田彦O邸の場合は後者。
ここにお気に入りの自転車を並べて、ピカピカに磨いちゃあスポットライトを当てて、
夜中に一人ニヤニヤしている施主の姿が目に浮かぶ(笑)。
土間は男の趣味のためのスペースなのかもしれない。
結局、土間の使いやすさは、住まいの内部でありながら、外っぽく使えるところにあるので、
例えば、屋根の付いた広いウッドデッキや、敷地内の物置・納屋、
下屋を大きく出した軒下など、なんでもいいから兎に角、外と内の中間的なスペースがないと、
住まいはとても使いにくくなると思う。