今週末のオープンハウスを予定していた2邸について、被害は最小でした。
ただし、この2邸の被害が最小な事を、ボクの設計の売りにするつもりは・・・、
全くありません。
今回のような大きな地震が来た場合、
建物が無事かどうかなんて、はっきり言って偶然です。
もちろん、整形なプランであったり、平屋であったり、耐震等級2を確保してあったり、
設計上、耐震性を考慮している部分もあるし、施工の状況も大きいが、
だからと言って、それらが全てのはずは無く、被害が少ないのは偶然です。
ボクはそう考える事にしています。
そう考えた上で、ボクに次出来る事は何か、考えるようにしています。
それが平成7年当時大阪に住んでいて、あの地震も経験したボクの考え方です。
阪神・淡路大震災の後、関西の建築業界に現れた、
「うちの設計は大丈夫」「うちの施工は安心」「これを使うと耐震性が上がります」
「あそこは安く建てるけど壊れた建築が多い」などと言う「震災商法」。
被害の大小は、サンプルの母数が大きければ当然大きくなるし、
少なければ本当に被害を受けていないのかもしれない、たまたま。
サンプルの母数を判断基準に入れないと、判断を見間違う事になるはずです。
これから住まいを建てようとしている住まい手予備軍として大切な事は、
そう言った甘い手口「震災商法」に騙されない事だと思います。
ボクは震災商法なんてする気は全くありません。地震の被害の大小はあくまで偶然。
整形な建築でも外壁にヒビが入る事もあるはずです。
これからしばらく時間をかけて、実際にボクが設計した住まいに、
どんな被害が出たのか、しっかり調査したいと考えています。
現状ではクロスの下地のボードの繋ぎ目にヒビが入った被害が多く出ており、
人命にかかわる被害は無いようですが、今は調査する事が最も重要です。
調査をした後は、まずは問題を解決するべく対応した上で、
それらの問題を分析して、次の設計に活かす事。
そして情報を正確に、正直に開示する事が、
建築設計という社会的な仕事に携わるボクたちの役割だと考えています。