先週の京成のイベント終了時の書きかけの続き。

 

住宅に限らず、何であれ一つの建築が出来る場合、そこには「建築主」と「設計監理者」、「工事施工者」の3者が存在し、この3者には「建築主」<==設計監理契約==>「設計監理者」と、「建築主」<==工事請負契約==>「工事施工者」の二つの契約が存在している。ただし、住宅の場合は、業務や仕様を定型化させる事も可能なので、設計監理者が独立して存在せず、ハウスメーカーや工務店の自社スタッフが設計を行う「設計・施工一体型」が多いと思う。

 

建築工事の契約とは、ご存じの通り「請負契約」。請負契約とは、請負者(ハウスメーカーや工務店)が仕事の完成を約束し、注文者(施主)は仕事の完成に対する報酬を支払う。すなわち、図面に基づき、決められた契約金で、決められた工期内に、図面通りの建築を作る約束をする事。これが「請負契約」。

 

この「請負契約」時には両者間で、どのような規模で、どのような材料を使い、どのような形の家になるのか、等々、最終のゴールラインが見えている。この両者は片や報酬を支払う立場、片や報酬をもらう立場なので、「本来は」利害が対立する関係で、その対立関係を調整し、約束事を明確にするために「契約書」には細かな工事の「内訳明細書」が添付される事になる。簡単に言うと「請負契約」=「仕事の結果の約束」ということになる。

 

請負者は、この請負契約をしないと仕事にならない訳で、そのために住宅会社の営業マンは、とにかくゴールライン(間取り)を早く作りたがるのだろう。間取りさえ出来れば、後は仕様が決まっているので、工事金額が一旦FIXし、契約する事が出来る。住まいづくりで最も大事な、時間をかけて検討しないといけないはずのプランニングを急ぐ理由はここにある。

 

一方、設計監理業務の契約とは、「委任契約」という形態をとる。設計監理契約を締結する時点で、委託者(施主)と受託者(建築士)はまだ仕事の完成形(ゴールライン)は見えておらず、簡単な図面と完成イメージ、小さな模型があるくらいで、施主からすると、その建築士がどんな家を設計してくれるのかまだ判らないが、それまでの面談での会話や印象、今までの実績などから、「この人なら自分が一生住む家を任せられる」と信じる事が出来た時、「設計監理契約」を結ぶことになる。設計監理を結んだ後は、住まいづくりで最も大事なプランニングを、じっくりと時間をかけて検討する。

 

この設計監理業務を「委任する」ということは、施主と設計者の「信頼関係だけ」がベースになっている。もちろんハウスメーカーや工務店に頼む「請負契約」の場合も、信頼関係はあると思うが、「設計監理契約」の場合はあくまで「信頼関係だけ」であり、その信頼関係に基づき、施主の代理人として施主の利益を100%守る立場が設計監理者になる。それ故に、その信頼関係を裏切ることになった場合・・・、その罪は重い。それくらい責任の重い仕事だと、ボクはいつも考えている。

 

はじめに書いたように、住宅を建てる場合は、規模もそれほど大きくない事と、業務や仕様を定型化させている事が多いので、設計監理者が独立して存在せず、ハウスメーカーや工務店の自社スタッフが設計を行う「設計・施工一体型」が多いと思う。ボクのような独立して設計監理を行う者に設計監理だけ委任し、施工は別に工務店に頼む「設計・施工分離型」はまだ茨城県内では少ないケースのはず。「一体型」と「分離型」のどちらが優れているかという事も無いし、結局、どちらを選ぶかは建築主次第。ボクは「住まいづくりのパートナー」として、ボクを選んでくれた家族のために、「この人に頼んで良かった」と思って頂けるような仕事をしていきたい。

 

 

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