一昨日、「眺めの良い大空間で薪ストーブライフ/札幌市・Tさん」が掲載された「札幌良い住宅.jp」は「北海道住宅新聞社」という専門誌のサイトで、あらためて北海道住宅新聞社のサイトを色々読んでみると、なかなか興味深い記事がたくさんあった。なかでも編集長のコラムは最近の住宅業界の動き、今後の方向性が垣間見られて面白い。
いま北海道ではZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス、通称ゼッチ)で持ちきりらしく、そう言えば、T邸を施工した拓友建設の社長さんからも先日ボクに「いまSHSの会で4地域までのZEHの仕様を考えてるんだけど、そっちの住宅の標準的な仕様ってどんなんよ」と電話があったところ。
コラムの中で面白いのが住宅で使われる種類別のエネルギーで、
(北海道住宅新聞社サイトより)
日本全体として見ると、住宅で使っているエネルギーとしては給湯と照明・家電が多く、次に暖房、そして驚くほど冷房に使われるエネルギーが少ない。これは冷房期間も短いし、使用時間帯も意外に短く、そして外気温と室内温度の差も暖房ほどではないからだろう。冷房よりも給湯の方がエネルギーを使っているという実感をどれほどの人が持っているんだろうか。
このグラフを見ると、今年1月末に引き渡した「小貫山M邸」は屋根に今どきなかなかお目にかかれない太陽熱温水器が載っており、暖房はペレットストーブ、そして茶の間(リビングと呼ばずM邸は茶の間)の窓を南東と南西に大きく設けているので、一日中日差しが入るため昼間は照明を使っていないため、このグラフの給湯と照明、暖房の大きな割合を占めるエネルギーをかなりの割合で再生可能な自然エネルギーを使っている事になる。
太陽熱温水器と言っても知らない人も多くなっていると思うので、一応どんなモノかというと、
昔はよく屋根の上に載ってたなー、という人も多いと思う。設置費用は25万から30万円ほど。太陽光パネルに比べるとは比較にならないほどお安い設置費用。さすがに今どきはぬるいお湯らしいが、暖かい季節になれば熱いくらいのお湯が出てくる。
ペレットストーブの設置費用も30~40万円くらいなので、こちらも薪ストーブに比べると費用負担は少なく、もちろんその分暖房能力も低いわけだが、今どきの断熱性能の住宅であればペレットストーブでも、住まい全体を暖めるのに充分な能力がある。
太陽光パネルやエネファームで発電するわけではないので、完全にネットでエネルギー消費量がゼロになる住宅ではないが、そこまでのお金を使わなくても、知恵さえ使えばエネルギー消費量はかなり減らせるはず。