薪ストーブ vs ハイブリッド車

少し前のyahooに、

「薪ストーブ、削減効果ハイブリッド5台分 東北大試算」

という記事があった。

 

 薪(まき)ストーブ1台でハイブリッド車5台分の二酸化炭素(CO2)削減効果がある―。東北大大学院環境科学研究科の新妻弘明教授の研究室が、こんなユニークな試算を出した。カーボンニュートラルを前提に、木質バイオマスの積極的な利用の有効性を、数字で示した格好だ。

 研究室は、薪ストーブ愛好者約100人のグループで、宮城県川崎町の里山で薪をつくる「川崎―仙台薪ストーブの会」と連携。薪の生産量や消費量、伐採地の森林再生状況を調べ、CO2削減効果を計算した。

 熱効率が高い欧米製の薪ストーブは、1台当たり年間約6立方メートルの薪を消費する。薪の発熱量と同等のエネルギーを生み出すのに必要な灯油の量を1200リットルと算出。その量の灯油の燃焼で排出されるCO2が削減できたと考えると、薪ストーブによるCO2削減量は年間約3トンとの結果が出た。

 ハイブリッド車については、ガソリン車(燃費1リットル15キロ、年1万キロ走行)に比べ、ガソリンの消費量を4割節約できると想定。ハイブリッド車の年間CO2削減量は約0.6トンと計算され、薪ストーブの方が約5倍の効果があった。

 薪ストーブ1台のCO2削減量を太陽光パネルに換算すると、60平方メートル分に相当するという。

 研究室は「薪ストーブの会」全体の活動に伴うCO2削減効果についても検証した。初年度の2007年11月~08年5月の実績から、森林再生によるCO2吸収量は7トン、暖房用灯油の不使用によるCO2削減量は39トンで、会の活動で利用する自動車からのCO2排出量2トンを差し引き、CO2削減量を年間44トンと算出した。

 薪の生産が効率化された08~09年シーズンのCO2削減量はさらに増えると予想されるという。

 研究室の池上真紀助教は「薪ストーブのCO2削減効果は意外に大きく、環境に良いことが定量的に裏付けられた。東北地方の木質バイオマス資源は人口に対して余裕があり、薪ストーブの会のような活動は他の地域でも可能だ」と話している。

[カーボンニュートラル] 薪などの植物由来の燃料を燃やすとCO2が排出されるが、植物が成長する過程で同じ量のCO2が吸収されれば理論上は中立となり、地球温暖化に影響を与えないという考え方。薪は、広葉樹林を定期的、計画的に伐採すれば、切り株から新芽が伸びる「萌芽(ほうが)更新」や実生で持続的に生産できる。

 

 

という内容。かなり薪ストーブよりの試算だと思うが(笑)。この記事の内容にも興味はあるが、それよりも上の方にある「薪ストーブの会」なる組織に興味を引かれた。今はどこの地方でも里山が荒れていくので、こういう里山の会的な組織が必要。プリウスに代表される胡散臭い環境ビジネスとは一線を画した、本来の環境を守る行動として。

 

 

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宇津義和 代表兼設計士

茨城県水戸市宇津建築設計事務所 代表の宇津です。お気軽にご相談ください。

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