午前中、土地探し中のクライアントと候補地で現地立会。
仲介の不動産会社の担当者さんから土地についての説明を聞き、
そのエリアの候補地としてお互いに確認する。
今までも土地探しの段階からアドバイスをした事は何度もあったが、
その都度いつも感じるのは、
「自分だけで土地を探す人は怖くないのか?」という事。
人生初の1000万円を超えるような大きな買い物に、
建築のプロのアドバイス無しに購入に踏み切れる事自体、すごい度胸・・・だと思う。
ボクたち建築士は、建築士法という、建築士の職責を規定した法律に、
第2条 「一級建築士」とは、国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、
建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行うものをいう。
と定義され、さらに、設計、工事監理以外に、
第21条 建築士は、設計及び工事監理を行うほか、建築工事契約に関する事務、
建築工事の指導監督、建築物に関する調査又は鑑定及び建築物の建築に関する法令
又は条例の規定に基づく手続の代理その他の業務を行うことができる。
と、「建築主の代理人」として法令の手続きを行うことができる事が規定されている。
意外に知られていない事かもしれないが、
これから住まいを建てようと考えている人に覚えていて欲しいのは、
「最後まで建築主の味方をしてくれるのは独立専業の建築士だけ」と言うこと。
ボクたち建築士の事を「設計料が高い」とか、「良い建築士ばかりとか限らない」とか、
ネガティブな印象を貼り付けられる事があるようだが、ボクが考える建築士の仕事には、
建築に関するあらゆる仕事の最上流に位置する仕事である以上、
常に第三者として中立的な立場で、客観的に判断する事が求められると思う。
もちろん、建築主の代理人として、建築主の利益を最大限守る事は当然の事だが、
だからと言って、やたら業者と対決姿勢を取っていても、
けして建築主に利益になるとは限らず、必要な事は「公平さ」。
ただし、どうしても建築行為においては、「建築主=素人」vs「業者=プロ」になり、
建築の知識、土地の知識において力量差があるため、建築主は不利になるので、
その不利な戦いを「公平」にするのがボクたち建築士の本来の仕事。
そのため、建築士を邪魔な存在と考える業者も多く、
「設計屋さんの設計料は高いですよ~」などと言うのは建築士を排除しようとするもの。
そんな業者を、安心な業者か危険な業者か判断するのは、建築主自身になる。